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600年の伝統を今に残す 九州屈指の夏の風物詩

郷愁を誘う和の灯り 山鹿燈籠発祥の御社

宿場町としての面影を残す山鹿市は、かつて菊池川流域の物流拠点として独自の文化を築いてきました。なかでも和紙の原材料となる楮(こうぞ)の栽培と紙漉きが最盛期だった江戸時代、山鹿の発展を支えた旦那衆(だんなしゅう)と呼ばれた実業家によって和紙工芸が確立。木や金具を一切使用することなく、和紙と少量の糊だけで組み上げる『山鹿燈籠(やまがとうろう)』は、藩主をもてなす品として、また、神事の奉納品、観光資源として発展し、現在のような高度な技術を要する伝統工芸品として知られるようになりました。

山鹿燈籠と大宮神社

大宮神社は第十二代景行天皇(けいこうてんのう)を祀る神社であり、この地の氏神さま、産土大神(うぶすなおおかみ)、心願成就(しんがんじょうじゅ)のお社として古来から篤い信仰を集めてきました。今から約1950年前、景行天皇が九州巡幸の際に山鹿に着岸された折、一面に濃霧が立ちこめ進路を阻んだのを里人たちがたいまつをかかげて誘導。御一行を杉山(現在の大宮神社)へとお迎えしたことに加え、景行天皇がここに行宮(あんぐう※仮の御所)を営まれた際に、奉迎の松明(たいまつ)を使用したことが「山鹿燈籠」のルーツとされています。その後、行宮の跡地に天皇を祀ったのが大宮神社であり、「大宮」の呼称も故事に由来しています。

山鹿燈籠まつりの由緒

毎年8月15・16日に実施される「山鹿燈籠まつり」。闇夜、頭に金燈籠を掲げた浴衣姿の女性たちが「よへほ節」の調べにのせて優雅に舞う「千人燈籠踊り」を目当てに、人口5万の町は県内外から15万人以上もの人出で賑わいます。踊りにおいて金燈籠を頭にのせる様式は室町時代から続くもので、前述した天皇への灯火の献上を燈籠で行うようになったことが始まり(※1)とされています。また燈籠踊り(奉納踊り)に加え、たいまつ行列、花火大会などの一連の催事が実施され、大神さまへの感謝と祈りを捧げるとともに、景行天皇御巡幸の伝承や伝統文化の継承という性格が色濃いのも特徴です。

残念ながら昨年に続き、新型コロナウイルスの影響で今年度の「千人燈籠踊り」や「納涼花火大会」などの中止が発表されましたが、「山鹿燈籠まつり」のなかで最も重要な神事の一つ「上がり燈籠」は今年も実施・奉納されることになりました。

山鹿燈籠まつり最大のクライマックスとなるこの神事は、「ハーイとうろう、ハーイとうろう」のかけ声に合わせて、山鹿の町衆が金燈籠や宮造り、座敷造りといった種々の燈籠を次々に担ぎ込む勇壮さが魅力です。また午前零時の太鼓の合図とともに、すべての奉納燈籠は境内の『燈籠殿』に納められます(=「下がり燈籠」)。燈籠はその後、一年間保存(一般公開)され、翌年の祭りの際に、新しい燈籠へと入替えられます。ちなみに、入替わった燈籠は神社参拝者に払い下げられます。

山鹿の町全体を幻想的な灯りで彩る九州屈指の夏の風物詩「山鹿燈籠まつり」。今年も踊り手たちの優雅な舞を目の前で観覧することはかないませんが、8月16日大宮神社境内で奉納される『山鹿燈籠踊り保存会』による「山鹿燈籠踊り」の様子が山鹿市のウェブサイト(YouTubeチャンネル「山鹿探訪」)(※2)からライブ配信されることが決定しました。熟練の技術によって形づくられた細密な燈籠の美しさ、灯りの一つひとつがしなやかに闇夜を彩る伝統の踊りを、静かな心持ちで“視聴”してみるのも一興かもしれません。一方、山鹿燈籠そのものに触れることも山鹿の旅の醍醐味です。大宮神社の他、『山鹿燈籠民芸館』や燈籠師の工房などを訪ねることで、より深く山鹿燈籠の精巧さを感じられることでしょう。

※1 諸説あり
※2 山鹿市YouTubeチャンネル「山鹿探訪」 https://www.youtube.com/channel/UCyQUA72qWIaweZKJ9UJOeBA

大宮神社
熊本県山鹿市山鹿196
0968-44-1257
8:00~16:00(早朝の拝観も可)
※8月13日の午前、16日午後のみ休館

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