菊鹿ファームステイ

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自然の恵みをいただく

老舗魚屋が現代に伝える魚介の豊かな味わい方

旬の魚介が手近に。山鹿の老舗魚屋

名湯・さくら湯の膝元に店を構えて80余年。「岡崎鮮魚店」3代目の主人・岡崎栄佐さんは、魚をより身近な食材として食卓に届けたい一心で日々の仕事に向き合っています。仕入先は県内随一の魚市場「田崎市場(たさきいちば)」。岡崎さんはその日水揚げされたとりどりの海産物から、鮮度や味わい、そして季節感のある魚介を厳選しています。

「魚ってこんなに美味しいのか!とみなさんに喜んでもらえるように、目の前の魚をどんな状態で提供するか、そして何より買いやすい値段であることも常々心がけています」。その言葉どおり、店頭に並ぶ様ざまの魚介は、生魚の他、刺身や干物など自家で加工した商品構成も豊富です。また、そのどれもが求めやすい価格で提供されています。

魚への視点が変わる!? ユニークな看板メニュー

「岡崎鮮魚店」目玉品のひとつ、刺身の盛り合わせ。一見、何の変哲もないようにみえますが、これにも岡崎さんの心を垣間みることができます。

「この店の刺身には“つま”を入れません。余計な水分が魚の味わいに影響するからです」。驚くべきは魚介の内容にも。「構成は日々変わりますが、1パックにおよそ10種類ほどを盛り込みます」。スーパーマーケットなどで見かける一般的な刺身盛り合わせの内容がせいぜい5,6種類とすると、およそ2倍近くの種類です。少量を豊富に味わうことも刺身盛りの醍醐味と言わんばかりの豪華なパッケージ。「美味しくたくさん食べてほしい」という岡崎さんの思いを感じる一品です。

魚をもっと身近に。その意思を決定づけるメニューが他にもあります。店の当代・栄佐さんが導入した機器でつくる“ソフトひもの”です。九州に住む私たちにとって干物は、乾いたイカやホッケなどの姿を想像しがちですが、この干物は逆。「酒の肴や保存食としても知られる干物ですが、魚を新鮮なうちに一定の水分を残したままの状態にし、食べる直前に炙れば、カラカラの干物とまったく異なる旨味と食感を味わえるんです」。つまり、持ち帰って焼くことを必要とする干物ですが、これが実に干物とは思えぬ柔らかな食感。店ではこの「ソフトな干物」をその場で味わえるようにと「魚屋さんのさばバーガー」(380円)を考案。店頭でふっくらと焼上げた鯖(=ソフトひもの)を肉厚のバンズに挟み込み提供しています。その豊かな味わいは、たちまち地域の評判を生み、店の看板メニューの一つとなっています。

「ソフトひもの」に「さばバーガー」。「岡崎鮮魚店」をめぐるキャッチーなメニュー考案の背景には、お客の魚に対する親近感の醸成もさることながら、根底には変わりゆく漁場環境とそのなかで獲れる魚の魅力を、専門店として正しく伝える責任があるといいます。「魚を獲る環境は、年々厳しさを増しています。国内漁獲量が減るなかで、こうして魚が当たり前に食べられることのありがたさを、わかりやすく親しみをもって伝えることも大切だと思っています」。その第一歩こそ「目の前の一尾を美味しく食すための方法を伝えること」と岡崎さんは付け加えます。店が日々更新するSNSには、日の売り出し品の他に、“丼ビン”(海鮮丼一杯分の瓶詰め)や刺身箱など、魚介の新たな味わい方が美しい写真とともに配信されます。

魚本来の美味しさを正しく伝える伝道師

ところで、ここ山鹿に限らず、かつて多くの地域には、米は米屋、野菜は八百屋(やおや)というように、それぞれの食材を専門的に取り扱う店が存在しました。いうまでもなく”魚屋(うおや)”もそのひとつです。多くの家庭がいわゆる“馴染みの店”を介して食材を得、献立を考えたという普遍の習慣。それは一種のコミュニケーションであり、こと魚であれば、種ごとの性質や調理方法などを、消費者は店主とのふれあいの中から理解し、学びとってきました。幸いにも「岡崎鮮魚店」は、その名残をありありと感じられる場所。「ここはスーパーではありません。気軽に魚のことを聞ける魚屋ですから。そのスタンスはこれからも変わりません」。

刺身ひとつにしても、自分がいま何を食べているかを正しく知る。刺身という魚はない。ならば一つひとつの魚介の特徴を直に教えてくれる店に行きたい。そう思わせてくれる魚屋が、海に面しない内陸の山鹿にありました。

shop info

岡崎鮮魚店
熊本県山鹿市山鹿44
0968-43-2036
10:00〜19:00
日曜休

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