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「山鹿」を選んだ人みずみずしいアイデアで受け継ぐ、山鹿と家族のエポック

metro guesthouse & cafe
大坪 皐さん・麗奈さん
元は造り酒屋だった歴史建造物を改築し、今年5月にゲストハウス兼カフェ「metro(メトロ)」を開業した大坪皐(おおつぼ まいと)さんと麗奈(れいな)さん夫妻。かつて東京・福岡など、都会暮らしを経験した2人は、結婚を機にそれまで住んだ福岡市から皐さんの故郷・山鹿市へと移住。江戸時代から温泉宿場町として賑わった豊前街道の新たな「メトロ(=中心地)」を目指し「誰もが集い、繋がる」場所づくりを始動。

山鹿で夢見た都会暮らし

「何が何でも都会に出る」。母・恵理子さんが『metro cafe』の前身である文庫兼駄菓子屋を開業した2004年当時、中学生だった皐さんは密かにそう心に誓った日のことを、今でもありありと思い出すそうです。「店ができた時は喜びの気持ちの一方で、ここを自分の居場所として捉えるのが難しかったんです」。ここ山鹿で、都会での暮らしを思い描いた青春時代。以来、皐さんはグラフィックデザイナーの道を志し、18歳で福岡のデザイン系専門学校へ進学。それから11年。30歳となる今年、伴侶を得た皐さんは、かつてあれほど“出たかったはずの家”に帰る決心をしました。

専門学校を卒業後、福岡市の広告制作会社に就職。その後「もっとデザインの一線で仕事をしてみたい」と、皐さんは東京への転職を決意しました。国内のトップクリエーションを担う東京のデザイン事務所で、必死に仕事に打ち込んだ3年間。想像通りに刺激的で、想像以上に過酷だったというデザインの現場では、その激務に体調を崩したこともあったとか。自ら選んだ道とはいえ「なぜここまでして、頑張らなければいけないんだろう」。とにもかくにも仕事が優先される毎日。当時の皐さんの脳裏には、そんな日々に対する大きな疑問符が見え隠れしていました。

心の居場所に気づく

上京以来はじめてとなる帰省時のこと。夕刻に到着し、一家で向かったのは、皐さんが幼い頃からよく通った、近所のうどん店でした。夕陽を背にした田畑風景を臨む敷地に降り立つや、懐かしい出汁の香りとともに稲わらの豊かな香りに包まれたという皐さん。その情景は彼が山鹿で過ごした青春時代をたちまちに甦らせました。自分でも驚くほどに心安らぐその時間のことを、皐さんは今でも忘れられません。

「カフェを引き継がないか」。折に触れて接してきた母・恵理子さんの提案に、これまで耳を貸すことはなかった皐さん。しかし、この久しぶりの帰郷体験が、自分の居場所を見つめ直す好機となり「いつか山鹿に帰る」という新たな目標へと繋がったのです。そのための第一歩として皐さんは、2019年、東京から再び福岡へと向かいます。

「私も北海道の田舎の出身。都会暮らしに憧れて、札幌、福岡と転居してきました。田舎暮らしは慣れていたので、山鹿への移住も迷いなく決心できました」。皐さんが戻った福岡で出会った、妻の麗奈さん。大手メーカーの美容部員として、忙しなく過ごしていた麗奈さんもまた「ゆっくり過ごしたい」と、暮らしの変化を求めはじめていた頃でした。2人がそれぞれに思い描く心穏やかな生活環境の姿。また、両者の出会いから程なくしてその理想を共有できたことも、夫婦で山鹿に越す後押しとなりました。

山鹿の“中心地”を目指して再出発

夫婦で帰省のタイミングを模索していた頃、皐さんは新規事業に対する山鹿市の支援制度の存在を知りました。以前から絵本作家を招き、イベントを活発に行っていた恵理子さんのカフェ。また現在、カフェの裏手に位置する元酒蔵「天廳(てんちょう)の蔵」はギャラリーやマルシェとして活用され、利用者や地域の人々が集う場として定着しています。この場を引き継ぐ立場として、一つひとつの空間を“様々な個性を繋げる場所”としてより発展させたいと、皐さんは新たな構想を温めていました。そこで、市の支援制度を追い風に、従来のカフェに宿泊の機能を加えた、“新生・metro”のプロジェクトに着手します。それから一年後の2021年5月。1Fカフェの2Fにゲストハウスを備えた『metro』が誕生しました。

「『ありがとう』、『2人で頑張ってね』。地元の方々から、たくさんの温かな声と、歓迎を受けました。地域のためにも、ここが山鹿の中心地(=metro)となり、多くの人が集う場所をつくりたい。また、山鹿の人々によって大切に築かれてきた、歴史的な豊前街道が息を吹き返すきっかけづくりに貢献したいと思っています」。本取材時に「実は今日、初めてのお客様を見送りまして」と話してくれた2人。客室には置き手紙が添えられていたそうで、とても嬉しそうな表情が印象的でした。文字通りの“初仕事”を終え、しばし胸をなで下ろしつつも「お客様にもっと快適に過ごしてもらうにはどうするべきか…」と2人は早くも新たな課題に目を向けます。熱意と気概に満ちる夫婦が創りあげた無二の空間。ゲストとともに『metro』がこれから紡いでいくであろう色とりどりの未来が、この真新しい空間に、はっきりと映るのでした。

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